Garmin Approach S72には、練習時のスイングを振り返るための4つの指標があります。
「ハンドスピード」「トップの位置」「リストローテーション」「ハンドプレーン」
画面に表示されても、「何が分かるの?」「良い数値はどれ?」と迷うかもしれません。
この4つは、主に手首や手の動きを振り返るためのスイング指標です。ボールの飛距離やヘッドスピードを直接測る4項目ではありません。
この記事では、Garmin公式マニュアルをもとに各指標の意味を整理し、約30年のゴルフ指導経験で大切にしている考え方と、編集部が提案する練習方法を分けて紹介します。S72を持っている人は次の練習に、購入前の人は機能選びに役立ててください。
結論|S72の4つの指標は『同じクラブのスイングを比べる』ために使う

数値から分かることと、数値だけでは分からないこと
S72のドライビングレンジアクティビティでは、手の速さ、バックスイングの長さ、手首の回転、手の通り道を確認できます。
ただし、指標を一つ見ただけで「フェースが開いた」「クラブが外から入った」「この数字だから飛距離が伸びる」とは決められません。どんな球が出たか、どんな当たりだったかという結果と切り離さずに考えましょう。
練習目的がある人には役立つが、全員に必要な機能ではない
という人には、4指標を記録する意味があります。
一方、ゴルフを始めたばかりなら、まずは構え方や基本の動きを身につける段階でも十分。練習機能を使わない選択も間違いではありません。
S72のスイング指標4つは何を示す?

日本の製品仕様にある4項目を、Garmin英語版マニュアルの定義と照らして整理しました。
ハンドスピード|最大になる位置と推移を見る
ハンドスピード(Hand Speed)は、スイング中の手の速度を示す指標です。
Garminの説明では、手の速度が最大になった位置を時計盤のイメージで表し、スイング中の速度の推移もグラフで確認できます。トップとインパクト時点の速度も示されます。
ただし、ハンドスピードはヘッドスピードでもボール初速でもありません。数字だけから飛距離を求めることはできません。
トップの位置|バックスイングの長さのばらつきを見る
トップの位置(Backswing Length)は、スイングを始めてから切り返しに入るまでのバックスイングの長さを、時計盤に例えて表すものです。クラブのシャフト角をそのまま測っているわけではありません。
リストローテーション|手首の回転の推移を見る
リストローテーション(Wrist Rotation)は、アドレスからトップ、インパクトに至るまでのリード側の手首の回転を捉える指標です。
球筋が安定していたショットと曲がったショットで、回転の傾向に違いがあったかを見比べる使い方が考えられます。ただし、手首の回転量とフェースの向き・開閉量は同じものではないので注意が必要です。この数字だけで「フェースが開いた」と決めつけないようにしましょう。
ハンドプレーン|手の軌道角とトランジション角度を見る
ハンドプレーン(Garmin英語表記:Swing Plane)は、バックスイングとダウンスイングで手が通る道筋の角度を、地面を基準に表します。
この項目には、上げるときと下ろすときの角度差を表す「トランジション角度」もチェックできます。クラブが違えば望ましい通り道も変わるため、まずは同じクラブ同士で比べると良いでしょう。
4指標早見表

| 指標 | 公式で示す対象 | 同じ番手で比べる観点 | これだけでは断定できないこと |
|---|---|---|---|
| ハンドスピード | 手の速度の推移・最大になる位置 | 良い当たりとミスでのピーク位置・変化 | ヘッドスピード・ボール初速・飛距離 |
| トップの位置 | バックスイングの長さ | 普段どおりのショット間のばらつき | クラブのトップ角度・長さの絶対的な正解 |
| リストローテーション | リード側の手首の回転・推移 | 球筋や当たりの違いと回転傾向 | フェースの向き・開閉量・曲がる原因 |
| ハンドプレーン | 上げるとき・下ろすときの手の通り道の角度と、その差 | 同じクラブでの角度の傾向 | クラブパス・シャフトプレーン・ミスの原因 |
ドライビングレンジで指標を確認する手順

ここでは、公式マニュアルで確認できる最小限の操作だけ紹介します。
スマートフォンとの接続やラウンド開始手順は、別のS72の初期設定・使い方ガイドにまとめています。
練習アクティビティの開始からショット後の確認まで
- ウォッチフェイスの画面から上側のボタンを押す。
- ドライビングレンジのアクティビティを選ぶ。
- 実際にショットを打つ。
- 画面を上へスワイプしてスイング指標を確認する。
練習場や自宅のネットに向けて打つときに、このアクティビティを利用できます。
公式参照:S72日本語操作マニュアル「ドライビングレンジアクティビティを開始する」
クラブ変更・テンポ表示・アプリでの振り返りの確認範囲
練習メニューに「クラブ変更」「トレーニングを終了」「お気に入りのスイング指標」「テンポトレーニング」などの選択肢があります。クラブを替えるときは、記録の前に選択中のクラブも確認しましょう。
この記事は、アプリが自動作成する表ではなく、自分で振り返るための記入例です。
Garmin Golfアプリには、別売りの弾道測定器を使う練習機能もあります。S72の手首由来4指標から、ボール初速や平均飛距離を自動で取得できるわけではありません。
公式参照:Garmin日本・S72発表資料、日本語操作マニュアル
同じクラブで複数球を打ち、違いを見つける練習方法

ここからは、約30年のゴルフ指導経験をもとにした練習例を紹介します。
クラブ・目標・打ち方の条件をそろえる
- 比べる間は同じクラブを使う。
- 狙う方向や目標をなるべく変えない。
- 力いっぱい振るのではなく、普段どおりのスイングを意識する。
- まずは同じ条件で複数球打ち、打球結果を見てみる。
約30年の指導経験で大切にしているのは、ナイスショットの最大飛距離ではなく、いつもどおり振ったときに、どれくらい飛ぶのかを知ることです。
『良い当たり/ミス』と指標の違いを記録する
良い球だったか、右や左に曲がったか、当たりが薄かったか。
練習表
例えば「7番アイアンで右に曲がった」「いつもよりバックスイングが長く感じた」など、実際に確認したことを記録します。S72の指標は、必要な項目を一つ選んで書き残しましょう。

| クラブ | 目標 | 球の結果 | 手応え | 選んだ指標 | 気づき |
|---|---|---|---|---|---|
距離を別途確認できる環境なら、普段どおりの飛距離もこの表とは別に残しておくと、番手ごとの傾向を考えやすくなります。
記録の参考にご利用ください。
次の練習では一つの指標・課題に絞る
記録を眺めて気になる違いが見つかったら、次は一度に全部を直そうとしないこと。
試した結果、打球がどう変わったか、感覚はどうだったか、指標はどう動いたかをもう一度確認。
変化が分からなければ、無理に結論を出さず、記録を残して次回に持ち越してくださいね。
数値を見てもすぐにフォームを決めつけない

手首の計測とフェース・打球・スイング全体の違い
同じ球筋でも、原因は一つとは限りません。
僕の考え方は、
「スイング理論も重要。クラブや体をどう動かすかを理解したうえで、数値も判断材料にする」というもの。
S72の数字だけでスイングを診断するのではなく、動きの理解と実際の打球結果を合わせて考える姿勢が大切です。
リストローテーション=フェースの開閉量、ハンドプレーン=クラブパス、は必ずしもイコールではありません。数値から原因を一つに決めて、かえってフォームを崩さないようにしましょう。
テンポは別指標。全員共通の『正解値』を作らない
Garminのスイングテンポ(Tempo)は、バックスイングにかかった時間とダウンスイングにかかった時間の比率です。
Garmin公式では参考となるテンポ比も示されていますが、すべてのゴルファーが同じ数値を目指す必要はありません。
また、一度の計測で良し悪しを断定せず、まずは自分のショットで変化があるか、打球結果と合わせて見てください。
公式参照:Swing Metrics(Tempoを含む技術説明)
S72の練習機能は必要?向いている人・不要な人

練習経過を数値で見直したい人に向く
S72の練習機能が向いているのは、毎回のショットを感覚だけで終わらせず、同じクラブの動きを繰り返し振り返りたい人です。
- 同じクラブで打ったショットの違いを記録したい
- 「今日は振り方が違ったかも」を後で確かめたい
- 打球結果と手首の動きの傾向を分けて考えたい
約30年の指導では、計測を「自分の飛距離を正確に理解するためのツール。成長を早めるツールになり得る」と捉えています。
S72の手首由来4指標が飛距離を直接測るという意味ではありません。また、基本のスイングを覚える前から全員が細かな数字を追う必要もないでしょう。
「次は何を練習するか」が分かることを優先したいところです。
コース距離表示が中心ならS50・S70との比較へ
主な用途がコースでの距離確認なら、上位機能を使わない可能性もあります。
S72とS50を比較して、機能と価格差を確かめると選びやすくなります。S70を持っている人、買い替えで迷う人はS72とS70の違いを確認する比較記事も参考にしてください。
どちらが優れているかを決める前に、自分が練習データをどのくらい使うのかを考えることが、後悔しない選び方につながります。
S72の練習機能が自分に必要だと感じた方は、Amazonで商品情報を確認できます。購入前に販売元・発送元・保証・返品条件を確認してください。
まとめ|次の練習で『1本・複数球・1項目』を振り返ろう

S72の4指標は、ハンドスピード、トップの位置、リストローテーション、ハンドプレーン。どれも手首や手の動きから、自分のスイングを振り返るための情報です。
飛距離の平均やボールのデータとは分けて考えてください。
記録する項目と次に読むべき記事
約30年の指導経験から大切にしている順番は、
基本を身につける → 少しずつスイングを大きくする → スコアが出始めたら自分の飛距離を知る → 必要に応じて数値で精度を高める
という流れです。
- 次の練習ではクラブを1本選ぶ。
- 普段どおりに複数球打ち、球の結果と手応えを記録する。
- S72の指標を1項目選び、ショットごとの違いを振り返る。
- 気づきを一つだけ次の練習で試す。
数値が変わらない日も、無理に正解を探す必要はありません。
関連情報はこちら

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